◎【チャイナ―ドレスの紹介(旗袍 qí páo)】

皆さん、新年明けましておめでとうございます。今回は皆さんに良く知られている中国の伝統服――チャイナドレスについて、簡単にご紹介したいと思います。

 

まず名前からですが、「チャイナドレス」と言うのは和製英語で、英語では 「mandarin gown」であり、中国語では「旗袍(チイパオ)」と言います。多くの日本人はチャイナドレスは大昔から中国女性が着ていた服だと思っているが、実はもともと中国の騎馬民族満族の男性が着るものでした。防風防寒のため、襟を高くし、スリットは馬に乗ったり、狩をしったりする際に動きやすいためでした。満族の貴族が「旗人」と言うので、「旗人が着る長い上着」から旗袍と呼ばれるようになり、旗人の女性は、正装として帽子(旗頭)、服(旗袍)、靴(旗鞋)を着用するようになりました。実際の漢民族の伝統衣装は本来和服と同じ合わせ襟の漢服です。

 

満族の貴族が清朝を建立してから、貴族以外もチャイナドレスの一般の着用を許可し、全国に広がりました。1920年代半ばのチャイナドレスはゆったりするタイプで、女子学生のファッションとして流行し、1930年代から、ヨーロッパから様々なデザインを取り入れ、チャイナドレスが上流階級の女性や、女優たちがパーティなどで着るようになりました。当時の雑誌でも新しいデザインを紹介され、またタバコやカレンダーなどの広告にもチャイナドレスを採用されました。当時の中国女性は、1着や2着を持っているほど、市民の普段着としても一般化しました。1949年中華人民共和国が成立してから、労働に適した服装が一般的になり、チャイナドレスが徐々に見られなくなりましたが、1980年代から、チャイナドレスが再び映画の中で女優が着用するようになり、特に映画「花様年華」の主演女優マギー・チャンは映画の中で異なったデザインのチャイナドレスを20着ほど着て、「東方女性の素敵な服装」と世界中がびっくりしました。今は、チャイナドレスは結婚式やイベントなどに出席する際の正装として着用されていて、またアレンジしたワンピースのようなものはおしゃれな普段着として着る女性もいます。ただ余程自分のスタイルに自信がある方でないと、なかなか着る勇気がないというのは事実です。

 

チャイナドレスの紹介は以上になりますが、楽しんで頂けましたでしょうか?